このたび、岡山県岡山市南区に新しくオープンされるスタジオ「BASE IKUMOTO」様の看板を制作させていただきました。
実は今回、看板の制作・納品にあたり、私たちにとっても忘れられない経験となりました。
「少しの違和感を見過ごさないこと」──それを改めて教えてくれた出来事です。

【写真①:左が再制作したもの/右が最初に納品したもの】
こちらの写真は、お客様のもとへお届けした看板(右)と、後日改めて制作した看板(左)です。
当初、完成した看板を確認したとき「ん?なんとなく、いつもと違うかも……」という小さな違和感がありました。
ただ、見た目のクオリティとしては問題なく、ご自宅兼スタジオのオープニングイベントにも間に合うよう、予定通り納品をさせていただいたのです。
【写真②:発送前に撮影したもの】
こちらは、弊社で発送前に撮影した写真です。
光の加減や視点の角度では問題がないように見えたのですが、後日お客様から届いたご連絡と写真を見て、私たちは驚きました。

【写真③:到着後、お客様が撮影されたもの】
この写真を見て、明らかな色ムラが認識できたのです。
発送に所要した日数は1日、到着後の状態は、明らかなゴールド塗料の変色・ムラが見られました。
これは、梅雨時期特有の高温多湿な環境が、塗料の状態や乾燥、定着に悪影響を及ぼしたものと推察しています。

これまで何年も使用していた塗料で、同様のトラブルは一度もありませんでした。
だからこそ、大きなショックと同時に「発送時に感じた少しの違和感は、やはり正しかったのかもしれない」と強く感じました。
◆ 塗料の見直しと再制作
「やはりこのままでは納得がいかない」
その思いから、再度一から作り直す決意をしました。
新たに複数のゴールド塗料を試し、塗り重ねるタイミングや乾燥の環境も細かく調整。
結果として、ようやく納得のいく発色と質感にたどり着くことができました。
お客様も再制作に快くご理解くださり、本当にありがたい限りです。

◆ 学びを次へつなぐ
この出来事は、私たちにとって「技術」だけでなく「感覚」を大切にする大事さを再確認する機会となりました。
たとえ目立った不具合がなくても、「なんとなく変だな」という感覚を見過ごさない。
梅雨の湿気という外的要因も含め、素材や塗料の扱いは本当に繊細だと気を引き締められました。
温かく受け入れてくださったBASE IKUMOTO様に、心より感謝申し上げます。
これから始まるその場所で、看板も静かに物語を語ってくれたら嬉しいです。
BASE IKUMOTOさまHP
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🪵 使用材・仕様
- 素材:木製(屋外用)高耐久性天然木材ACCOYA®仕様
- 仕上げ:ウォルナットカラー(屋外用防腐塗料)新たに選定した高発色のゴールド塗料(文字とロゴ)
- サイズ:300×300mm
- 設置場所:BASE IKUMOTO(岡山市南区)
ご感想や看板制作に関するお問い合わせは、いつでもお気軽にご連絡ください。
制作の裏側についても、今後また少しずつお届けしてまいります。
再製作させていただいた看板のご紹介は改めてご案内をさせて頂きます。