無塗装の看板が7年で育んだ、自然な風合いと耐久性。
2019年5月、大阪府柏原市の「葡萄のかねおく」様へ納品させていただいた木製看板が、メンテナンスのために工房へ戻ってきました。
こちらの木製看板はあえて、屋外防腐塗料を塗らず、自然風化を楽しむために「無塗装」という仕様で製作した看板となります。
この「無塗装」看板が、7年という月日の中でどのように変化し、どう成長したのか。その様子を記録として残したいと思います。
7年後の表情と、確かな手応え
掲げられていたのは、湿気の多い場所でした。 戻ってきた看板の表面には苔が生え、時間の経過を物語っていました。

これだけ湿気のある環境だと、普通なら木が腐っていてもおかしくありません。 しかし、丁寧に苔を落として確認してみると、中身は驚くほど健全な状態を保っていました。
設置環境を見越して木材を厳選したこと。 その当時の判断が、この7年という歳月によって静かに証明されたような気がして、とても嬉しく思いました。
自然風化した看板の表情がよりかっこよく仕上がるように【節や割れがある材を選び】製作させていただいていました。
次の10年に向けて、少しだけ手を加える
汚れを落として潤いを与えると、隠れていた木目がくっきりと現れました。(文字とロゴには保護シートが張られています。)

これまでは木そのものの風化に任せてきましたが、7年という節目を迎え、今回は「屋外用防腐塗料」を塗って仕上げることにしました。 これからも末永く農園の顔として活躍できるよう、屋外用防腐塗料をたっぷりと染み込ませました。木のポテンシャルはこの7年で証明されていますのでこれからも末永く寄り添ってくれることだと信じています。

理想としていた「背面のグレー」

最後に、私が今回のメンテナンスで一番心を惹かれた部分をご紹介します。 それは、看板の「背面」です。
雨風に打たれて育った、この「シルバーグレー」の質感。
製作当初から目指していたのは、半年、1年とかけて段々とグレーに変色し、流木のように風景に馴染んでいく姿でした。
表面は苔むすほどの環境でしたが、この背面の状態こそが、私たちが当初から目標にしていた「自然な風化」の理想形です。
最後に
無塗装の看板がグレーに育っていくスタイルは、好みがはっきりと分かれるものかもしれません。 でも、私はこういう「木そのものの力」を感じる表情が好きです。
葡萄のかねおく様、この度は大切な看板のメンテナンスをご相談いただき、誠にありがとうございました。 新しく整えられた看板が、これからも農園の歩みに寄り添い続けてくれることを願っています。
制作時、納品時の記事はこちら
納品させていただいた直後の、まだ白木が美しかった看板の姿を記録した記事です。 7年の歳月が、いかに豊かな風合いを育てたのか。ぜひ現在の姿と見比べてみてください。

■ 葡萄のかねおく様 店舗情報
- 農園名:葡萄のかねおく
- 所在地:大阪府柏原市大県4丁目17-15(直売所:大県オフィス)
- 公式ホームページ:https://kaneoku.com/
- Instagram:kaneoku1903

